AI にコードを頼むときの伝え方:思いどおりに作ってもらうコツ
「いい感じに作って」では思いどおりになりません。目的・条件・完成の形を伝える書き方、段階的に頼む方法、頼み方の失敗例と直し方を、実例で解説します。
更新日:2026-09-25
この記事で分かること
- AI への「頼み方」で結果が大きく変わる理由
- 伝えるべき4つの要素(目的・条件・完成形・制約)
- 大きな仕事を小さく分けて頼む方法
- よくある失敗と、その言い換え
AI コーディングツールは、頼み方がそのまま結果に出ます。プログラミングの知識が浅くても、伝え方 を身につけるだけで、作れるものの幅が一気に広がります。所要時間は 45 分です。
なぜ「いい感じに」では失敗するのか
「自己紹介ページをいい感じに作って」と頼むと、AI は「いい感じ」を自分で想像して埋めます。その想像があなたの頭の中と一致することは、まずありません。結果、「思っていたのと違う」を何度も繰り返すことになります。
人間の新人に仕事を頼むときと同じです。「なんかいい感じの資料作って」と言われた新人は困ります。「来週の会議で、上司に予算の増額を説得するための資料。A4 1枚。グラフを1つ」なら、動けます。
AI も同じです。相手が動けるだけの情報を渡す。それだけです。
伝えるべき4つの要素
1. 目的:何のために
「自己紹介ページ」だけでなく、「就職活動で企業に見せる」「趣味仲間に見せる」で作るべきものは変わります。
2. 条件:何を含めるか
名前、写真、趣味の数、リンク先、ページ数。具体的な内容と数を伝えます。
3. 完成の形:どう見えるか
「スマホでも見やすい」「白背景で文字は濃いグレー」「見出しは左に緑の線」。参考になるサイトがあれば「○○のような雰囲気」も有効です。
4. 制約:やってほしくないこと
「外部のライブラリは使わない」「ファイルは index.html と style.css の2つだけ」「JavaScript は使わない」。制約を書くと、AI が余計なものを足さなくなります。
4つを入れた頼み方の例
就職活動で企業に見せるための自己紹介ページを作って。
含めるもの:
- 名前(山田 太郎)と一言の自己紹介
- 学んだこと(HTML/CSS、JavaScript、Claude Code)を3つの箱で
- 作ったもの(あとで追加するので、ダミーを2つ)
- 連絡先はメールのみ
見た目:
- 白背景、文字は濃いグレー、アクセントは緑
- スマホでも1列で読みやすいように
制約:
- ファイルは index.html と style.css の2つだけ
- 外部ライブラリやフォントの読み込みはなし
この頼み方なら、1回目からほぼ意図どおりのものが出てきます。
大きな仕事は小さく分ける
「ブログサイトを作って」のような大きな頼みごとは、一度にやらせると途中で方向がずれます。段階に分けてください。
- まず 構造だけ:「記事一覧ページと記事ページの HTML だけ作って。CSS はまだいらない」
- 次に 見た目:「一覧ページをカード型のレイアウトにして」
- 次に 動き:「記事のタイトルをクリックしたら記事ページに移動するようにして」
- 最後に 仕上げ:「スマホで確認したら文字が小さいので、16px 以上にして」
各段階で 必ず自分でブラウザを開いて確認 してから、次に進みます。確認をはさむことで、ずれた方向に進み続けることを防げます。
「直して」の頼み方
修正の頼み方にもコツがあります。
- 場所を示す:「見出しの色を変えて」より「ページ上部の h1 の色を #2f5bea にして」
- 現状と希望を両方書く:「今は3つの箱が縦に並んでいる。横に並べたい」
- エラーはそのまま貼る:エラー文を要約せず、コピーして貼ります。AI はエラー文からかなり正確に原因を特定します。
ブラウザの Console に次のエラーが出ています。
Uncaught TypeError: Cannot read properties of null (reading 'addEventListener')
script.js の 3 行目です。原因と直し方を教えて。
「教えて」の頼み方
コードを書いてもらうだけでなく、理解するために使う のが上達の近道です。
- 「この行は何をしている?初心者向けに説明して」
- 「この書き方と、さっきの書き方は何が違う?」
- 「もっと簡単な書き方はある?」
- 「この部分を自分で書きたい。ヒントだけちょうだい」
特に最後の「ヒントだけ」は強力です。答えを見る前に自分で考える時間ができて、記憶に残ります。
よくある失敗と言い換え
| 失敗しやすい頼み方 | 言い換え |
|---|---|
| かっこよくして | 余白を広く、文字を大きく、色は2色まで |
| 直して | 何が起きていて、どうなってほしいかを書く |
| 全部作って | まず一覧ページだけ。確認したら次 |
| 速くして | どの操作が遅いか、何秒かかるかを書く |
| 動かない | エラー文と、期待した動作を書く |
頼む前のチェックリスト
- 何のために作るか、書いた
- 含める内容と数を、書いた
- 見た目のイメージを、言葉か参考サイトで書いた
- やってほしくないことを、書いた
- 一度に頼む量は、確認できる大きさか
やってみよう
次のお題を、4つの要素を入れて頼んでみてください。できたものと、自分の意図とのずれを見比べるのが練習です。
- 家計簿の入力フォーム(日付・項目・金額を入れて、一覧に追加される)
- 今日の献立ルーレット(ボタンを押すと、登録した料理からランダムに1つ表示)
- 読んだ本の記録ページ(タイトル・著者・感想・星の数)
まとめ
- AI への頼み方は、新人への頼み方と同じ。動けるだけの情報を渡す。
- 目的・条件・完成形・制約の4つ。
- 大きな仕事は分けて、確認しながら進める。
- 「作って」だけでなく「教えて」「ヒントだけ」で理解を深める。
次は「AI が書いたコードの読み方・確かめ方」です。AI に任せきりにしないための、いちばん大事な回です。